”食用油”から見る健康とは?自律神経障害や頭痛でお悩みの方へ。

頻繁に起こる頭痛。自律神経の乱れからくる寝不足。

日々、自分自身の『健康』を考えることが多くなってきているのではないでしょうか。

もし今日から『健康を意識しよう!』と思い立った時、まずは何から始めますか?

今回は一番身近なものである”食べ物”

特に、その食べ物に使用される食用油と健康をテーマにしていこうと思います。

お料理をするときにはもちろん油は使用しますよね。

その油に関してはコレステロールの低いものや健康を意識しながら選んでらっしゃる方もいるかもしれません。

しかし、私たちの身近にある油はそれだけではありません。

冷凍食品やインスタント食品やスナック菓子など、スーパーでふとした時に手に取ってしまうような食品にも油は使われています。

しかし、お料理に使用する油とは違って、なんだか”体に悪そうだな”という印象を持たれている方も多いのではないでしょうか。

実は、この食べ物たちには共通してトランス脂肪が多く含まれる油が使用されています。

さて、トランス脂肪と私たちの身体への影響はどうなっているのか、紐解いていきましょう!

トランス脂肪の作られ方

まず、「マーガリン」を思い浮かべてみてください。

マーガリンは大豆油・菜種油・コーン油・ひまわり油・パーム油など植物油を原料としています。

植物から採った油は「ラード」などの動物性油脂と比べて融点が低く、常温では液体になるため、体の中に入っても液体のままでいてくれるので血液中をスムーズに移動します。

そのため、植物性の油は血液をサラサラにする油と言われています。

ここで「あれ?」と疑問に思いませんか?

血液をサラサラにするのであれば健康にいいのでは?

実は、ここで問題になってくるのは油の加工と、その過程で出来てしまう物質なのです。

融点が低く液体になりやすい植物性の油は、構造上長期保存が難しいという欠点があります。

でもマーガリンは保存期間も長く、常温でもちゃんと固形のままではありませんか?

実は、マーガリンは製造過程で「水素添加」という方法を使っています。

分かりやすく言うと、植物油を長期保存・固形化させるために、人工的に油の性質を変えてしまうという作業です。

この「水素添加」の過程で大量に作られてしまうのが”トランス脂肪”なのです。

トランス脂肪が体に与える影響

トランス脂肪は人工的に作られた自然界に存在しないもの、構造でいうとプラスチックにそっくりな物質です。

それを体に取り込むと、身体は分解・代謝しようとしますが、人工的にできてしまう物質のため時間がかかってしまいます。

頑張って分解しようとする体はどんどん体内のビタミン・ミネラルを消費し、体にかなりの負担をかけてしまうことになります。

さらにその分解する過程でガンの原因となる”活性酸素”も大量に作ってしまうという悪循環を引き起こしてしまうのです。

また、トランス脂肪は細胞膜にも悪い影響を及ぼします。

内臓・皮膚・血管・髪の毛なそ、人間の身体は約60兆個の細胞でできています。

その細胞一つ一つを支えているのが細胞膜であり、その細胞が正常に働いているということが『健康』と言われる状態となります。

細胞膜の主成分である脂質の中に、トランス脂肪が入り込んでしまうと細胞膜の働きが不完全になり、体にとって必要な物質が流れてしまったり、逆に有害物質を取り込んでしまいやすくなってしまいます。

このような体に悪循環なものを慢性的に摂取し続けると、頭痛や日々の体の不調が起こりやすくなってしまうのです。

果たしてそれは『健康』といえる状態でしょうか?

トランス脂肪が多く含まれる食品とは

さてここで、トランス脂肪を多く含む食品TOP10を見ていきましょう。

  1.   スプレッド(マーガリン・ショートニング等)
  2.   粉ミックス
  3.   インスタント麺
  4.   ファーストフード(フライドポテト・フライドチキン)
  5.   冷凍食品
  6.   オーブン食品
  7.   スナック菓子
  8.   シリアル(オートブラン)
  9.   クッキー・チョコレート
  10.   トッピング食品(コーヒーミルク・ホイップクリーム)

どうでしょうか、皆さんのご自宅に保管されているものが比較的多かったのではないでしょうか。

パッケージ記載は「ショートニング」「加工油脂」「ファストスプレッド」などというものです。

現在ヨーロッパ各国ではトランス脂肪が基準よりも多く含まれている食品は違法とされています。

アメリカ、ニューヨーク州でも2008年からすべての食品からトランス脂肪を排除することを法律化しており、2018年にはついにアメリカの食品医薬局(FDA)が『マーガリンなどに含まれるトランス脂肪の食品への使用を原則禁止』としました。

もちろん上にあげた10種類の食品に関しても、安全な食用油を使用して製造されているものも多数あります。

少々、お値段が高めで賞味期限も短くはなりますが、健康被害を考えると決して高いものではないと思いますので、食品の購入の際は吟味することも必要ではないでしょうか。

次回はこのトランス脂肪が脳や自律神経に与える影響をお話ししたいと思います。